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おたふくかぜによる難聴

2018年8月4日
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おたふくかぜというと耳の下がパンパンに腫れて、熱が出て、幼少期に皆がかかる病気と思われる方も多いと思います。

今、日本小児科学会はおたふくかぜの予防のために2回(通常1歳と年長)のワクチン接種を勧めています。

今でも感染しあえばより強い免疫ができると思い、意図的に感染させようとする方がおみえになりますが、それはおすすめできません。

おたふくかぜの合併症として、髄膜炎、精巣炎がよく知られていますが、成長した後に気が付かれる原因不明の難聴は、おたふくかぜにかかったことが原因のこともあります。

日本耳鼻咽喉科学会では、おたふくによる難聴の調査を行い、2015~2016年の2年間に300人以上の発症の調査結果を報告しています。

 

 

今回の調査では、学童のお子さんだけでなく、20代から30代の子育て世代の方の発症も多く、お子さんからの感染と考えられています。

片側だけでなく、両側の難聴になる方、平衡機能障害も一緒に起こる方もみえ、また難聴の程度は治療したにも関わらず、高度な後遺症が残ることも多いです。

おたふくかぜにかかった前後に、めまい、嘔吐、吐き気を伴う場合は、おたふくによる難聴の可能性も考えて、耳の状態について診察を受けましょう。

また片側の難聴では、日常生活に支障がないため、お子さんでは難聴に気が付かれずに経過することもあります。

予防できる病気ですので、水痘同様に積極的な接種を勧めています。

当院では自費で2回目の接種を行っていますので、ご希望の方はお尋ねください。

 

文責 耳鼻咽喉科 荒木

 

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