名古屋市港区港栄4丁目3-5
新型コロナ流行期における漢方治療
2021年1月18日
カテゴリー: 漢方治療
先日、コロナ期における漢方治療のWEBセミナーを受講しました。
漢方は今までも治療の選択肢の一つとして積極的に利用していましたが、コロナ流行期の風邪治療の一つとして今まで以上に積極的に使いたいと思います、
現在、新型コロナウィルスが猛威を振るっていますが、候補薬はあるもののはっきりとした治療薬は存在せず、対症療法を行うのみです。
また重症化のメカニズムにサイトカインという免疫系の物質の過剰生産が関係しているとわかってきており、漢方にはそれを抑え、適切に働かせる作用があることも分かっています。
風邪などウィルス感染の治療に対しては、当院ではご希望の方には積極的に漢方を併用しています。
頭痛、鼻水、悪寒などの初期
葛根湯または麻黄湯(体が弱い方、ご高齢の方には麻黄附子細辛湯)
1週間前後経過後の微熱や食欲がない時期
小柴胡湯加桔梗石膏など
病後の回復期、風邪などの感染が治った後も倦怠感や息切れなどがしばらく続くことが多いです。
そういう時には補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯のような補剤といわれる免疫をアップする漢方を使用し、体力、気力の回復を行います。
小児の繰り返す中耳炎には十全大補湯、短期間に扁桃炎を繰り返す方には補中益気湯を
元々耳鼻咽喉科では使用しており、十全大補湯は小児の急性中耳炎ガイドラインの推奨薬剤にもなっています。
補中益気湯は、免疫力をアップし、感染の予防にも使えますので、私も好んで使っています。
新型コロナの予防にも使用できると思います。
風邪などのウィルス感染の治療として、漢方薬の選択もご一考くださいね。
ご興味がある方は、診察時にお尋ねください。
文責:荒木