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2020年12月のブログ記事
片側の聞こえが悪いお子さんの学校生活での席について
2020年12月15日
片側の聞こえが悪いお子さんの学校生活での席について
コロナウィルス感染症が流行し、専門医の講習のWEBで開催されるようになり、私は参加しやすくなりました。
講習で学んだことをお伝えさせて頂きますね。
片側の難聴のお子さんは、1000人に1人程みえます。両側の難聴のお子さんや幼少期から医学的なケアを受けられていますが、片側の難聴のお子さんは日常生活ではほとんど不自由がないため、就学時健診などで指摘されるまで、気が付かず過ごして見えるお子さんも多いです。
多くは先天性難聴(遺伝性難聴)、おたふく(ムンプス)やサイトメガロウィルスによるものです。NHKの朝ドラ“半分、青い”の主人公も幼少期のおたふくが原因で、片耳が聞こえなくなっています。
幼少期は、言語の獲得も順調ですが、小学校に入り、学習時に不安が出てきたり、
自覚なく学習が遅れることもあり、学校生活で不安をお持ちの保護者の方も多いと思います。
現在、お困りの方がみえましたら、下記の席の配置を心理的に負担のない範囲で、さりげなく配慮して頂けるよう担任の先生のお願いできるとよいかと思います。
健康な耳を教室中央に向けた前から2から3番目の席。
一番前は、他の子の行動が観察できないため、視覚で得られる情報をもとに
行動しにくいです。
聞こえが悪いお子さんは、視覚から入る情報を元に、行動を合わせて学習している
ことが多いため、他の子の行動を見て、総合的に学習してゆけます。
例えば、「何ページを開いてください。」の先生の声掛けに、ドリルなのか教科書なのかなど
前のお子さんを参考にして行動できます。
また他のお子さんの声やいすを引く音など周囲に大きな音があるところでは、極端に聞き取りが悪くなるため、健康な耳を教室中央にすると情報を集めやすいです。
お困りのお子さんや保護者の方は先生とご相談されてはいかがでしょうか。
学校医の先生へのお願いも下記に記しますので、お困りの方、不安がある方は外来でご相談くださいね。
学校の先生へのお願いの用紙をお渡ししますね。
学校の先生へのお願い
一側性難聴の児童の特徴
- 難聴がある側から話しけられると聞こえない
- 何処から声が聞こえたか分からない
- 雑音がある場所では聞き取りが悪くなる
- 他のことに熱中していると、気配に気が付きにくくなる
があります。
学校生活の中での配慮のお願い
- 教室内での雑音をできるだけ少なくする
- 座席を黒板中央側に聞こえる方の耳が向かう配置で、前から2、3列目に
- 視覚的な教材の活用と教室の明るさの確保
- 話を始める前の注意の声かけ
- 普通の速さと大きさで話し、理解しやすい休止を入れる
お忙しい授業中なのは、十分理解しておりますが、
上記の点についてご理解を頂き、特別扱いすることなく、さりげなく実施して頂けると助かります。