ドクターズブログドクターズブログ

2021年6月のブログ記事

気象病

2021年6月11日

最近、耳にする気象病をご存じでしょうか。

 

今年は梅雨入りが早かったこともあり、5月中旬から、めまい、耳鳴り、頭痛、喘息など

気圧の変化に関係がある症状の方が増えております。

 

  • メニエル病などのめまい
  • 低音障害型感音難聴
  • 耳鳴り症の悪化
  • 片頭痛
  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎の悪化

 

などでお困りの方が増えてきております。

まだ研究段階ではありますが、内耳が気圧の変化を感知し、脳にセンサーを送るという説があります。普段から乗り物酔いをしやすかったり、自律神経が乱れやすい方は、症状が出やすいといわれています。

私も頭痛持ちなのですが、体調は本当に正直で、なんだか頭が痛いと思って外を見ると雨が降ったりと天気予報のように正確です。

さて対処方法は、ぞれぞれの病気の治療法に準ずるのですが、梅雨時は体の水分バランスが

崩れ、自律神経が乱れやすいので、水を引く作用のある五苓散などの漢方を使用することもあります。

夏バテには、清暑益気湯という漢方で体調不良を補っても良いでしょう。

湿気が多いと気温がそれほど高くなくても、熱中症になる可能性がありますので、

塩分、水分、栄養、休息を適度に取って、これからの時期を乗り越えたいですね。

 

文責:荒木

 

小学校、中学校健診で受診を勧められた方へ

 

蒸し暑い日が続きますね。新型コロナウィルスの流行が始まってから、1年以上が

経過しました。保護者の方々も家族の健康を守るために日々神経をすり減らしてみえると思います。

本当にお疲れ様です。

緊張の中での生活が続き、お子さん方も感染以外に心身面での不調を訴えることも

増えてきているように感じます。

 

さて今年度の学校健診が終了しました。

港南中学、東港中学と小学校6校にお邪魔しました。

マスクをしながらの健診にも随分と慣れて、スムーズに終了しました。

ご協力ありがとうございました。

熱中症が増えてくる時期ですので、朝食、睡眠をしっかり取って、のどが渇く前にこまめに水分補給をしながら、熱中症に備えたいですね。

 

さて健診結果で、気が付いたことをお話します。

①耳

自覚症状で、聞こえが悪いに〇をつけるお子さんが多数おみえになりました。

お子さん方は、イヤホンを使用し、スマートフォンやiPadの音楽を大きな音量を聞いており、音響外傷による難聴の方、難聴予備軍の方も多いです。

電車内や騒音下では、ついつい音量が大きくなりがちなので、意識してみてくださいね。

また若い時に騒音を浴びていた方は、歳をとったときに難聴が進みやすいといわれていますので、今から注意したいですね。

  小学生のお子さんでも、聴力検査で要精査のお子さんは、耳鼻咽喉科で鼓膜のチェック   と再度聴力検査を受けましょう。

低学年から中学年くらいのお子さんは、何回か練習しないと検査自体が上手くできないことも多いため、あまり心配しすぎず、まず受診してください。

健診では、1000Hzと4000Hzという2周波を測定します。それ以外の周波数は測定しないため、聞こえが悪いという自覚症状がある方は、耳鼻咽喉科で積極的に聴力検査を受けましょう。

また聴力検査で難聴を指摘されるのに、日常生活では全く問題のない方もみえます。

診察時の聴力検査の結果とご本人の聞こえ方の状況が合わないと感じるときは、機能性難聴(心因性難聴)の可能性があります。総合病院で、脳波や内耳機能を詳細観察する検査を受けて、診断を行った方が良いでしょう。

 

②鼻

やはり例年通りですが、アレルギー性鼻炎のお子さんが多い印象でした。

スギ、ヒノキ花粉症が終了している健診の時期は、鼻がたらたらと垂れる時期ではないですが、鼻内を診察すると下鼻甲介と言われる場所が、特徴的に変化していました。

今の時期は、ダニ、ハウスダスト、カビ、イネ科花粉や雑草に反応することが多いです。

また花粉症後の副鼻腔炎になっているお子さんもお見えになりました。

アレルギーのお子さんは、鼻詰まりに慣れてしまっていることが多いでので、実際に何に対してのアレルギーがあるかを調べて、原因となるものをなるべく除去しつつ、調子が悪い時にはお薬を使いましょう。

顔をしかめる、鼻を上下に動かす、鼻をこする、鼻血もアレルギー性鼻炎の方によくみられます。

市販薬の点鼻薬を使っているお子さんもみえまずが、血管収縮薬が入ったものは一時的にすっきりするものの、その後リバウンドして、鼻詰まりが余計にひどくなるので、自身では判断せず、長期間使用しても大丈夫な処方薬を使うとよいでしょう。

また鼻呼吸ができるようにすることは、集中力や睡眠の質を高めることにもつながるので、気にかけて頂ければと思います。

またスギ、ダニに関しては、“舌下免疫療法”という治療で、抑えるのではなく治すことができるようになりました。お子さんの将来の時間への投資になるのではと考えています。

また当院のホームページでも紹介しているので、参考にしてくださいね。

現在、当院でも多数のお子さんが舌下免疫療法を行っています。

お子さんは治療効果がでている方が多いですので、成長期の方には特にお勧めできる治療だと考えています。

 

③のど

健診では、扁桃肥大を診察することが多いです。

扁桃は7歳くらいから徐々に小さくなってゆくので、小さい頃や学校健診で扁桃肥大を指摘されたからといって、すぐに切除するとは限りません。

手術になる可能性が高いのは、

#1 2-3カ月に1回以上、扁桃が腫れることによる治療が必要な方(反復性扁桃炎)

#2 いびきがあり、扁桃肥大、アデノイド増殖によって睡眠時無呼吸になっている方

です。

睡眠時無呼吸があると、夜間の睡眠のリズムが崩れ、成長ホルモンの分泌がうまく

いかずに、昼間に眠い、身長が伸びにくい、肥満になりやすい、夜尿症になることもあります。手術をしたらすべてが解決するわけではないですが、原因の一つをして考えてよいでしょう。

学校健診では詳細な問診を保護者の方から直接お伺いできないため、上記のような所見がある方は、受診を勧めさせて頂いています。

受診時にお困りのことがありましたら、ご相談くださいね。

 

これからが夏本番ですが、しっかりと感染対策、熱中症対策を両立させて元気に過ごしてゆきたいですね。

 またお子さん方が健やかに成長するお手伝いをしてゆきたいと考えておりますので、

 お気軽にご相談ください。

ページトップに戻る

DoctorsブログSTAFFブログ